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インドア大好き人間が自転車に乗り始めて嵌り、今ではどこに行くにもロードバイク
当然のごとく速く走れるわけがないんですがメンテナンス大好きなので自転車を弄ることを中心に記載しています。

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2009/07/12

自転車のチェーンの洗浄(清掃)とオイルの注油の仕方

どんなに高価な自転車であっても快適に走ろうとするにはチェーンにオイルを挿しておく必要があるんですが、チェーンに注油をしていいかすら分からなかったり、どうやって注油していいのか分からないなんてこともあります。

と思っている人ってけっこういるんですが、どんなに高価な自転車でもチェーンのオイルが切れるとチェーンが錆びてきてギシギシ・キィーキィーとイヤな音を立てて乗ることになり、時々街中でママチャリでキャタピラが回るような音を立てているのを見かけるのはチェーンのオイルが完全に切れてチェーンとギアが擦れて音が鳴っているんです。

チェーンにオイルが切れたまま乗るとチェーンの各コマ(リンク)の抵抗が増えるので漕ぐのが重くなるだけではなく、更にチェーンとギアが擦れて摩耗を早めることになるので結果的に自転車の寿命が短くなってしまいます。

自転車を購入した直後は自転車店でギアやチェーンにオイルを塗ってから販売されていますが、乗っているうちに次第にオイルが流れてオイル切れを起こして動作が重くなったり異音が発生するようになります。 チェーンから完全にオイルが切れてくるとチェーンが錆びてきて、更にそのまま使っていると最終的にギアも錆びてしまいます。
※こういった錆びの連鎖が始まると本格的に錆びが落とせなくなってしまい、直そうと思って自転車店に持ち込んでも部品交換で対応するしかできなくなってしまいます。

こまめにチェーンに注油をしていれば上記の様なサビの連鎖が防止できるだけでなく、チェーンがスムーズに動くので漕ぐのが軽くなって自転車を軽快に乗ることができます。

チェーンの注油は自転車のメンテナンスでは最も簡単で専用のオイルとウエス(ぼろ切れ)があれば誰にでも出来ます。 手が若干汚れるかもしれませんが失敗することもないので恐れずにやってみて下さい。

チェーンの清掃の仕方

チェーンの汚れチェーンに注油をする前にチェーンに付いている汚れを落としておく必要があります。

写真はドライ系のオイルを注油して舗装路を200km程度走った後のチェーンとプーリーです。

ドライ系のオイルを使用するとこれ以上汚れることはほとんどありませんが、200km程度走行しているので再注油する必要があります。

このままの状態で注油してもオイルの効果はありますが、汚れの上にオイルを塗ると汚れがオイルで溶けてチェーンがギトギトになる原因を作るのでお奨め出来ません。

汚れを落とす方法はウエスかペーパータオルにパーツクリーナーを噴いてチェーンリング(前ギア)に付着している汚れを拭き取り、次にチェーンの汚れを丁寧に拭き取ります。 変速機がある自転車はプーリー(写真にある小さいギア)の汚れも拭き取る必要がありますが、プーリーの清掃はウエスをプーリーにあててクランク逆回転させれば簡単に落とすことが出来ます。

丁寧に汚れを拭き取ったらウエスの綺麗な部分をチェーンやプーリーにあててクランクを逆回転させるとさらに汚れがとれるため、ウエスに汚れが付かなくなるまでやっても構わないんですがきりがないので程々でやめておいた方がいいですよ(^^;)

酷い汚れは道具を使って落としましょう


パークツール チェーンギャング

今まで一度もチェーンの掃除や注油をせずに1年以上乗っていた自転車だとギトギト汚れがこびりついていて汚れを落とそうっていう気も起きなくなってしまいます。

あまりにもチェーンの汚れが酷い場合はチェーンクリーナーを使う事で簡単に落とすことができます。

チェーンを洗浄液を入れたチェーンクリーナーにセットしてクランクをゆっくり逆回転させるだけでチェーンにこびりついた汚れがみるみる落ちてくるため、手作業でちまちま汚れを落としていたのがバカらしくなるぐらいかんたんです(^^;)

作業時には洗浄液が飛び散ることがあるため、室内で作業するときはまわりに新聞紙等を厚めに敷いてからやると作業終了後に余計な掃除をしないで済みますよ(^^)b

錆びたチェーンの清掃は?

多少錆が浮いている程度なら、チェーンの掃除とオイルをこまめに差すことで錆の進行を防ぐことが出来ますが、進行を防ぐだけで錆を落とすことは根本的に出来ません。

また、チェーン全体が完全に錆びている場合はチェーンを交換する以外方法がなく、錆びた状態で掃除やオイルを注油しても錆を広げるだけなので効果は期待できません。

チェーンが錆びる主な原因は注油をしないままチェーンが水に濡れることで起きるんですが、ロードバイクならデュラエースグレード、MTBならXTRグレードのチェーンに交換するだけで錆びづらくなります。

デュラエースやXTRグレードのチェーンは若干高いんですが豪雨を含む自転車通勤で4000km程度(3ヶ月〜4ヶ月)酷使したにもか関わらず錆が浮いたことが一度もないため、果たして錆びるかどうかすら分かっていません(^^;)

仲間からもデュラエースやXTRグレードのチェーンが錆びたという話を聞いたことがないだけに、錆びに対してかなり強いチェーンだと思っています。 ※クロスバイクは使っているパーツによってチェーンをロードバイク用かMTB用かのどちらかになるため、始めて交換する際に自転車店にどちらのチェーンを使っているか聞いておく事をお奨めします。

チェーン交換は個人でも出来ますが、自転車店に頼んでもチェーンの代金 + 工賃(\1,000程度)ぐらいで交換してもらえます。

チェーンオイルの種類

自転車のチェーンに注油するオイルは自転車専用のチェーンオイルを使うのが望ましいんですが、ホームセンター等で販売されている汎用のチェーンオイルでも別に構いません。
※ミシン油やサラダオイルを使ったらダメですよ。

専用品と汎用品の違いはオイルの粘度の違いがほとんどで、自転車専用のレースを意識したオイルは粘度が低いのでチェーンの動きがとても軽くなりますが、オイルが飛びやすいので200kmを目処に再注油する必要があるのでこまめにメンテナンスが出来る人向きです。

ホームセンター等で販売されている汎用品のチェーンオイルは粘度が高いので専用品に比べるとチェーンの動きが多少重くなりますが、オイルが流れにくいので頻繁にチェーンにオイルを射す必要がないんですが、チェーンが真っ黒になって汚れが目立つというようにそれぞれ一長一短があります。

高い自転車に乗るようになると自転車の汚れだけでなく、チェーンの汚れを気にするようにもなるため汚れが付着しづらいオイルが人気があるんですが、完全に汚れが付着しないチェーンオイルは存在しないので、ある程度妥協してこまめにメンテナンスすることが大切です。

ウェット系とドライ系のチェーンオイル

スポーツ用自転車専門店にチェーンオイルを買いに行くと色々種類があってどれがいいのか迷ってしまって店員さんにお奨めを聞いてみるとフィニッシュライン製品を勧められることが多いと思います。

チェーンオイルにはオイルを挿してすぐに走行に出かけられるウェット系と、オイルを挿した後に乾燥させる必要があるドライ系があるため下記に代表的なものを記載しておきます。

・ウェット系オイル
フィニッシュライン セラミックウェットルブ

ウェット系の代表としてはフィニッシュラインのセラミックウェットルブが自転車店で評判が良く、実際に使ってみてもチェーンの動きがスムーズになるのが体感できます。

晴れの日の走行なら200km〜250km程度は持つので普通に走るのなら週一ペースの注油で問題なく、チェーンの表面が黒くギトギトになりづらいため自転車を綺麗に乗りたい場合にいいかもしれませんね。

自分の場合は200km〜250km程度の走行を目処に注油をする癖を付けているんですが、何度かメンテナンスをさぼって300kmを超えるとシャラシャラと音鳴りがしきました。
※水に強くないので走行中に弱い雨に降られたら帰宅後に必ず注油することをお奨めします。

・ドライ系オイル
フィニッシュライン セラミックワックスルブ

同じフィニッシュライン製品ではセラミックワックスルブがドライ系のオイルになります。

ドライ系のオイルは注油後に数時間自然乾燥させる必要があるんですが、十分乾燥させた後に走行してチェーンの表面が汚れると、汚れた表面が剥がれ落ちてチェーン自体に汚れを付着させないという自浄作用的な特徴があります。

ウェット系オイルの効果を発揮させるためには乾燥させる必要があるため、走行直前にオイルを挿すのではなく前日にオイルを挿して準備するような人向きなのかもしれません。 ちなみに乾燥時間が短かったり、乾燥させずに走行してしまうとチェーンの表面がドロドロになるため、チェーンの掃除がものすごく大変になります。

ウェット系に比べると若干チェーンの動きが重くなるんですが粘度が高いチェーンオイルに比べればチェーンの動きは軽く、とにかくチェーンが汚れないので自転車を綺麗に保ちたい、自転車の掃除をする頻度を抑えたいと考えているのであればお奨めです。

耐久性も晴れた日に乗るのなら200km〜250km程度なら余裕で持ってくれるので週一ペースの注油で問題ないありません。

セラミックワックスルブを差して300km以上走った後の写真ですが、チェーンがほとんど汚れていないのが分かると思います。
※ドライ系オイルは特に水に弱いため、弱い雨に降られたら帰宅後に必ず注油してください。

CRC-556はチェーンの注油に使ってはいけません

ホームセンター等で売っているCRC-556という潤滑油がありますが、自転車のチェーンの注油にCRC-556を使うのは厳禁です。

CRC-556の缶に自転車のチェーンの写真があるので使ってしまいそうですが、CRC-556は自転車で使用しているゴム等の樹脂パーツの劣化を促進するため自転車の寿命が短くなるだけでなく、事故に繋がる危険性があるのでチェーンの注油にはお奨めしません。
※ホームセンターや大型スーパー等にいる自転車整備士の資格を持った店員でもCRC-556をチェーンに吹き付けているので注意が必要です。

チェーンの注油の仕方

下の図を参考にしてチェーンの下にウエスをあてながらリンク(青紫の部分)に注油し、全てのリンクに注油を行います。 こうやって記載すると面倒に感じるかもしれませんが、チェーン全体で100リンクちょっとしかないので10分もあれば終わる作業なのでちまちま作業しましょう(^^;)

自転車のチェーンに注油をする

ホームセンターや大型スーパーの店員がクランクを逆回転させながらチェーンにCRC-556等のスプレーオイルを吹き付けていることがありますが、この方法は色々な箇所にオイルが飛んで自転車が汚れたり、ホイールのリムにオイルが付着してブレーキが効かなくなることもあるのでこの方法はやってはいけません(自転車整備士免許を持っているママチャリ専門の自転車店でも面倒くさがってこういった作業を行っていることは珍しくありません)。

全てのリンクに注油したらクランクをゆっくり逆回転させてチェーンとギアにオイルをなじませて、5分程度おいてオイルがチェーンのローラーに内部に浸透するのを待ってからチェーンの側面に付いている余分なオイルをウエスで拭き取って完了です。 作業終了後はチェーンオイルとチェーンの汚れで多少手が汚れますが、諦めて石鹸で手を洗いましょう(^^;)

ちなみにチェーンにオイルを大量に塗ってもチェーンの動きが更に良くなるということはなく、逆にオイルを塗りすぎるとほこりや汚れが付いてチェーンが汚れやすくなるだけなので余分なオイルは拭き取っておきましょう。

使用したチェーンオイルがウェット系ならすぐに走りに行けますが、ドライ系は乾燥のため2時間程度放置しておくと効果を発揮します。
※冬場は乾燥に一晩必要なので、走行する前日に塗っておくことをお奨めします。

今まで一度もチェーンに注油をしていなかった場合、汚れを落とすのに苦労したり面倒かもしれませんが注油前より漕ぐのが遙かに楽になり、こまめにチェーンに注油をすれば掃除の面倒が減って楽に走行できる状態を持続することが出来ますよ。

安い自転車でもタイヤに空気をこまめに入れて、チェーンにオイルを差すだけで自転車はいつでも快適に乗ることが出来ますよ(^^)b

・ウェット系オイル
フィニッシュライン セラミックウェットルブ
・ドライ系オイル
フィニッシュライン セラミックワックスルブ
・チェーンクリーナー
パークツール チェーンギャング