2009/11/11
一般的に販売されているスポーツ用自転車のほとんどがブレーキシューにトーインを付けられるようになっていますが、ホームセンター等で販売されている低価格の自転車はトーイン調整ができないものもありますのでご了承下さい。
トーインとは主に車のタイヤやサスペンションの調整で用いる言葉なんですが、自転車の場合はブレーキシューを足に見立ててつま先(トー)側が内側(イン)に向くように調整することをいいます。
ブレーキシューにトーインを付けるとブレーキ制動時にリムとブレーキシューが接触することによって発生する鳴きを防止できたり、制動時にブレーキシューがリムに当たることでブレーキシューが回転しているリムに引っ張られて平行に当たるようになるので平行のセッティングより強力な制動力が得られるというメリットがあります。
MTBのVブレーキではかなり前から採用されていて当たり前にように調整していたんですが、ロードバイクで使用されるキャリパーブレーキでは7800デュラエース以降になってから採用され、 後発だけあって部品点数も少なくトーイン調整も行いやすく改良されています。
トーインを付ける作業の一般的な説明でハの字になるようにトーインを付けるという説明があるんですが、これは自転車に乗車したときの見たブレーキシューの方向イメージしたものです。
ただ、こうやって記載すると作業中に<???>ってなる人がいるらしいので、下記に記載する作業方法のようにすれば混乱せずにトーインを付けられると思います。
ベッセル レインボールL型レンチセット |
六角レンチ
自転車のメンテナンスでは主に3mm〜6mmの六角レンチを使用するんですが、トーイン調整には4mmの六角レンチを使用します。
※自転車のメンテナンスでは六角レンチを使い分けることがあるため、サイズによって色分けされていると効率よく作業が行えます。
※強度が弱い六角レンチだとボルトの頭を傷めるため、なるべく強度があるもの(それなりに値段がする物)を使うことをお奨めします。
作業方法は最初に写真の青○部分のボルトを4mm六角レンチで緩めてブレーキシューホルダーがぐらぐらになるぐらいにします。
次に図のようにリムの上端からブレーキシューが1mm以上離れているか確認し、ブレーキシューとリムの間にプラ板を挟んでブレーキレバーを強く握って4mm六角レンチでブレーキシューホルダーを5Nm〜7Nmで固定します。
作業終了後は思いっきりブレーキを握ってブレーキシューホルダーが元に戻ったりずれたりしないか確認し、ずれたりする様ならやり直しになりますが次はボルトをキッチリ締めましょう。
トーインを戻したい場合は作業を逆にするだけなので写真の青○部分を4mm六角レンチで緩めてブレーキシューホルダーをフリーの状態にします。
次にリムの上端からブレーキシューを1mm以上離れているか確認し、プラ板を挟まずにブレーキレバーを強く握ってブレーキシューホルダーを4mm六角レンチで5Nm〜7Nmで固定すれば元に戻せます。
シマノの取扱説明書ではブレーキシューのトーインの間隔は0.5mmと記載されていますが、使用しているフレームやホイール、乗る人の体重やスピードの問題もあるため説明書どおりの0.5mmにこだわる必要はないと思います。
自分は通常走行時にブレーキが鳴かなければかまわないと思っているので、0.2mm〜0.3mm程度の間隔でトーイン調整をしています。
==関連記事==
ロードバイクのブレーキタッチ調整の仕方
ロードバイクのブレーキの片効き調整