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インドア大好き人間が自転車に乗り始めて嵌り、今ではどこに行くにもロードバイク
当然のごとく速く走れるわけがないんですがメンテナンス大好きなので自転車を弄ることを中心に記載しています。

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2011/5/17

フロントフォークのコラムを金ノコでカットする

完成車と違ってフレーム買いをするとフォークコラムが300mm程度あってどんなに大きなサイズのフレームでもフォークコラムがかなり余るので、コラムスペーサーを大量に持っていればコラムスペーサーを嵌めて対処できますが、対処できない場合はコラムカットを行います。

カットする位置を決める

フォークコラムをカットする位置を決める前の工程でフレームにフロントフォークを取り付けたため、この状態からフロントフォークに前輪を嵌めて、今まで乗ってきたロードバイクのポジションを参考にしてコラムスペーサーやステムをフォークコラムに嵌めて、写真のようにフォークコラムを切断する箇所にマジック等で線を引いて位置決めをします。

ポジションが完璧に決まっているのであればフォークコラムをギリギリに切っても構いませんが、フォークコラムは短くカットすると元に戻せないため、フォークコラムは長めにカットすることを強くお奨めします。

写真に付けてある目印はステムの上にスペーサーを嵌めて目印のラインを引くことで8mm程度余裕を持たせてあります。

若干面倒ですがフォークコラムはロードバイクが組み上がった後でもカットが出来るため、組立て段階でキッチリと切っておく必要はありません。

自転車店に展示している完成車もフォークコラムが未カットの状態で展示してあるのは購入者の乗り手に合わせてカットして調整できるようにしておくためです。

ちなみにフォークコラムのカットについてLOOKのフロントフォーク取扱説明書に以下のような記述ありました。

コラムカットにはステム上にコラムスペーサーを装着した長さでカットして下さい。
これはステムをコラムに固定する際に上側のボルトを締めすぎによる割れを防止するために必ず厳守して下さい。

こんな理由でLOOKの一部車種にはステム上に使用する専用のコラムスペーサーが付属しているらしいですね。

カーボンコラムを切るならソーガイド


BIKE HAND ソーガイド

ソーガイドは切断面をまっすぐに切るためのガイド工具でアルミ製のフォークコラムならソーガイドが無くても慣れていればまっすぐに切れますが、カーボン製のシートポストは表面が樹脂で覆われていて刃先が滑りやすいため、金属のようにきれいに金ノコが動かせないのでソーガイドを使用するときれいにカットできます。

当初はカーボン製のシートポストを切る目的で購入したんですが、使ってみたら神経を使わずに気楽にカットできるので最近では金属製のパイプを切るときにも使ってます。

フォークコラムをカットする

フォークコラムをカットするフォークコラムにカットする目印を付けたらフレームからフォークを外し、フォークコラムにソーガイドを嵌めます。

青○部分に金ノコを挿れてカットするため、目印の線もここに合わせてハンドルを締めてソーガイドを固定します。

※コラムをカットする際に粉塵がかなり飛ぶので、室内で作業すると掃除が面倒なのでお奨めできません。
※カーボンの粉塵は吸い込むと危険なので防塵マスクを着用して作業した方がいいかもしれません(防塵マスクがなければ普通の使い捨てマスクをしましょう)。

カーボンコラムカット程度の粉塵を吸い込んでも直ちに健康に影響はない、なんてどこぞの無責任な嘘つき総理大臣みたいな言葉を指摘されるかもしれませんが、わずかなアスベストを吸い込んだだけで肺の病気になる例もあるぐらいなので用心に越したことはないですからね(^^;)

フォークコラムの切断面を整えましょう

フォークコラムの切断面を仕上げるフォークコラムを切断したあとは写真のように切断面にバリが残っているため外周と内周を削って整えておく必要があります。

自転車店で行っている作業を見ているとアルミでもカーボンでも切断面の仕上げに金属用の金ヤスリを使って作業していますが、アルミコラムの場合は金属用の金ヤスリを使用しておおざっぱに切断面を削っても問題ありませんがカーボンコラムに金属用の金やすりを使って削って仕上げるどうかと思うんですよね・・・。

また、カーボンコラムをカットした後は瞬間接着剤を塗布しないとカーボン繊維がほつれてくる、と自転車店の店員からよく聞きますが、カーボンはカーボン繊維を樹脂で固めているに過ぎないのに目が粗い金属用の金ヤスリで作業することでカーボン繊維がほつれてくる原因を自転車店が自ら作っているんじゃないかと疑心暗鬼になっています。

カーボンコラムの切断面の仕上げ方

切断面を整えるフォークコラムのカットが終わったら内部に削りカスが入っているのでエアーダスター等で吹き付けて飛ばします。

アルミコラムの場合は金ヤスリを使用して切断面を整えるだけで問題ありませんが、カーボンコラムは切断面を整えるために図のように#320〜#600の紙ヤスリ(非耐水)を当て木に巻いて切断面を綺麗に整えます。


下の写真はカット直後の切断面と上記の方法で整えた切断面です。

フォークコラムの仕上げ

切断面を整えたらカーボン繊維がほつれてこないようにするために瞬間接着剤を塗布して完了です。

※瞬間接着剤といってもすぐに乾くのは表面だけものもあるため、カーボン繊維の内部に浸透させたり広範囲に塗布する場合は1日程度寝かせて完全に硬化させてから以後の作業をすることをお奨めします。

瞬間接着剤が完全に硬化したらフォークをフレームに挿入するんですが、フォークの取り付け時にヘッドセットのベアリング入れるのを忘れずに・・・(^^;)

コラムカット作業に自信がない場合

自転車店にフォークコラムのカットを依頼すると\1,500程度の工賃なのでカット作業に自信が無かったり、余計な工具を揃えたくないのであればフレームを購入した自転車店に作業をしてもらった方がいいかもしれません。
※カーボンコラムの場合は工賃がもう少し高いかもしれません。

補足

作業するにあたってカーボン専用の歯が売り切れで入手できなかったため、グラスファイバーや石でも切れる難燃素材用の歯を使って作業を行いました。

難燃素材用の歯でも切れなかったらダイヤモンドの粉末を吹き付けた歯でカーボンコラムを切ってやろうと考えていたんですが、さすがにカーボンもそこまで硬くないみたいで難燃素材用の歯でプラスチックの如くサクサク切れました・・・(^^;)

実験のためにカットし終わった処分する方のカーボンコラムを鉄用の歯でカットしてみたんですが、音はうるさいし、カットするのに30分近くかかるし、切り終わったら歯がボロボロになって使い物になってしまいました・・・。

鉄用の歯でも時間をかければ根性で切れると予想していましたが、カーボンの硬さがこれほどとは思わなったです・・・(^^;)

スチールコラムやアルミコラムの場合は鉄用の歯で問題ありませんが、カーボンコラムの場合はカーボン専用の歯に交換して作業するとご近所付き合いを険悪にしないで済むと思います。

※別のフォークのカーボンコラムを切って分ったことですが、カーボンの種類によって切れやすいものと切りづらいものがあるみたいです。

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