2009/12/9
以前はBBの規格はBSA規格とイタリアン規格しかなかったんですが、最近はBB30を始めとした圧入式BBの規格が増えすぎて訳が分らなくなってきているのが現状です・・・(^^;)
圧入式BBを使うフレームはBBの圧入に失敗するとフレームごとダメになってしまうため、出来る限り自転車店で作業してもらった方がいいと思っているのでこのページでは従来のネジ切り型の外装式BBの取り付け方を説明します。
BBシェルは規格によって幅や内径も異なるんですが、規格によってBBシェル内に切られているネジ山が異なっていてギアがつかない方はどちらも正ネジで切られているんですが、ギアが付く方は逆ネジがBSA(JIS)で、正ネジがイタリアンとネジ山の切られ方が異なっています。
自分がお世話になっている自転車店の店員さんはBBシェルにあるねじ山を人差指でなぞるだけで判別できるんですが、こういう事はBSAとイタリアンの両方を日常的に触り比べていないと判別が付かないと思います。
そこで他の方法を考えることになるんですが、BSAとイタリアンではBBシェルの幅が異なるのでノギスかメジャーでBBシェルの幅を測り、BBシェルの幅が68mmならBSA、73mmならイタリアンとなります。
日本ではJIS規格でクランク側のBBを逆ネジにするとなっているためJISと呼んでいますが、世界的には逆ネジのBBはBSAかISOで通っているのでメーカー等に日本語以外で問い合わせる時は注意して下さい。
取り付けは右側(ギアが付くほう)から行います。
右側は下の図のようにBBの規格によってネジを締める方向が違うため、仮組を行ってBBにネジの回転方向をマジックで記載してから安全に作業を行いました。
※ネジの回転方向を間違えて無理矢理ねじ込むと、フレームのネジ山をなめてフレームが使い物にならなくなるのに比べたら遙かにいいですからよ。
取り付ける前にBBのネジ部分にグリスを付けてネジの回転方向に手で回し、手で回らなくなるぐらいまで締めたらBBアダプター取り付け工具を使って慎重に30Nm〜50Nmで締め付けます。
同様に左側(ギアが付かないほう)もBBのネジ部分にグリスを付けて手でネジを回してから、工具を使用して30Nm〜50Nmで締め付けます。
取り付け作業の説明を記載するのは非常に簡単ですが、BBの指定取り付けトルクは30Nm〜50Nmとなっており、これはシマノから販売されている専用工具(TL-FC32やTL-FC36)では適正トルクで容易に締め付けることが出来ず、他社から販売されている工具も同様と考えた方がいいです。
理由は工具の柄が短すぎて指定トルクで締め付けられないからです。
自転車の締め付けトルクで30Nm〜50Nmが指定されている箇所はペダルやカセットスプロケットが該当しますが、ペダルレンチの長さに対してBB取付け工具(TL-FC32やTL-FC36)は枝の長さが短いためトルクをかけることが非常に難しいんです。
写真を見てもらうと分かりますが下からペダルレンチ、ハブスパナ(17mm)、シマノ純正BB取付け工具TL-FC32、パークツール BBT-9と並べていますが、TL-FC32はハブスパナと長さがほとんど変わらないのが分かると思います。
ハブのナットの締め付けはせいぜい6Nm〜8Nm程度だと思うのでこの長さで十分過ぎますが、その5倍以上のトルクを必要とする箇所の工具の枝が同じぐらいしかないので適正トルクで締め付けるのが難しいという意味が理解してもらえると思います。
※ペダルの締め付けトルクは35Nm以上なのでホローテックBBの締め付けトルクと差がありません。
更にシマノのTL-FC32は純正工具にもかかわらずBBの溝を引っかける爪部分の精度が悪く、BBの溝を傷める危険性があるのでお奨めできません。
BB取り付け工具 BBT-9 |
後に発売されたTL-FC36はこの辺を改良したようですが、枝の長さは依然として十分な長さではありません。
一番上のパークツールのBBT-9はTL-FC36よりも若干柄が長く、ホローテックIIのクランク取付けボルト工具も付属しているので購入し直しました。
自転車店でもBBを取り付ける際はソケットタイプの工具に長いハンドルを着けて取り付けたり、BB取付け工具に40cm以上の延長パイプ等を使用して取り付けていたりします。
自分で作業をしてBBの溝を舐めてフレームを潰す危険を避けたいのであれば、自転車店に取り付けを頼んだ方がいいかもしれませんね(^^;)
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